欧州生活サブノート

オーストリアでの暮らしできになることをまとめています。

「さがしもの」

 

さがしもの (新潮文庫)

さがしもの (新潮文庫)

 

 角田光代さんの「さがしもの」を読みました。

本にまつわる短編小説です。角田光代さんの本はこれまでに数冊読んだことがあるのですが、これは特によかった。

特に後半を過ぎてのお話が、いつかの自分と重なったり、懐かしい記憶を思い出させてくれたりするものが多くて、涙腺がゆるみっぱなしでした。

 

この本の中の「不幸の種」というお話の中の一節

私の思う不幸って 何にもないことだな。

笑うことも、泣くことも、舞い上がることも、落ち込むこともない、淡々とした毎日の繰り返しのこと。

「あとがきエッセイ 交際履歴」、これもすごく良いお話だった。その中での心にしみた一節がこちら。

カラー版の『星の王子さま』を持ってきてくれたおばは、私が中学校1年生のときに亡くなっていた。彼女が持ってきてくれたその本も、もはや手元にはない。けれど、その本に書かれていることを理解した時、その物語を、物語の世界を、言葉のひとつひとつを、もう一度おばから受け取ったように思えた。九年という時間を飛び越えて、再度手渡された贈りものに、私には感じられたのである。

 

他にもおばあちゃんが出てくる話も、おばあちゃん子の私にはとんでもなくぐっと来たし、本屋さんのお話もなんかすごく良かった。

何度も読み返したい本です。

 

 

 

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